哲学書簡 - lettres philosophiques sur les Anglais (par un Spinoziste Japonais)

英国人の考え方などについて徒然と書いていきます

政治哲学/政治思想

ポピュリズムとエリートについて

皆様、ご無沙汰しております。久々の更新です。 まず簡単な近況報告をさせて頂きますと、今年6月にダラム大学を卒業した後、帰国してこの猛暑の夏を日本で過ごしていました。色々と細々したことをやっている内にあっという間に8月が終わってしまいそうですが…

人文科学(Human sciences)の本質 - Gadamer の視点から見る日本の憲法学

以下リンクの篠田先生の記事を読んでいて、ちょうど最近読んでいるGadamerの議論を援用できる良い機会だと思い、今回は「人文科学」について書くことにしました。 三権分立は世界で日本だけ?画期的な日本の憲法学通説 – アゴラ 上リンクで篠田先生が引用さ…

國分功一郎氏の「憲法論」を検討する

國分功一郎さんは、スピノザ研究者でありかつスピノザから着想を得た哲学者でありながら、私とは全く異なる思想及びスピノザ理解を持っておられる「学者先生」のお一人ですので一応それなりに彼の発言には興味を持っているのですが、先日國分先生の「憲法論…

「親米保守」はいまや「現実」主義ではなく冷戦懐古主義である

西部氏の追悼記事が続々と出てきておりますが、ある程度著名な方の西部論は出揃ったところで改めて考察してみると、保守の方も左派(=リベラル)の方も、西部氏が「保守」でありながら「反米」であり続けた理由が結局わからなかった、あるいは「唾棄すべき…

なぜ18世紀以降の西洋哲学は腐敗しきっているのか

今回は相当挑戦的でかつ論争的なことを書きます。 といってもいきなり難しい話をするのもブログとしてはどうかと最近気付いたので、まず私の個人的な思索の経緯から話しましょう。 1.私の「哲学」観 実は私は結構前から現代西洋哲学に言い知れぬ違和感を感じ…

人種差別と日本人 - なぜ西欧人は日本国内における「差別」を批判するのか

最近日本人の考える「人種差別」と世界における「人種差別」に関する常識のズレという問題が「ガキ使」のブラックフェイス騒動で微妙に話題になり始めている気がします。これについて掘り下げようと思えば様々な視点からいくらでも掘り下げることはできます…

「教育」と「educatio」、および「learning」のニュアンスについて

今回は、日本語の「教育」という語に内包されている概念と、ラテン語の「educatio」の概念との差異から、日欧の根本的教育観および価値観の差異を明らかにし、かつここから「リベラリズム」の本質的深源は西欧における伝統的価値観そのものにあること、そし…

「真のリベラル」と擬似リベラルの見分け方

そもそもリベラリズム(自由主義)とは何であるべきか 近年「リベラル」を自称する人が本当は「自由」とは別の価値を「自由」と同程度、あるいはそれ以上に強調しているという点で「リベラル」とはいえないのではないか、という意識を持っているのは私だけで…

そもそもリベラリズムとは何か

偖、では早速哲学の世界に入って行きます。と言っても、いきなり形而上学や言語哲学に入っていくのではなく、まずは一般的関心の強い政治哲学から入って行きたいと思います。本稿では、まず現代の政治思想を語る上で絶対に欠かせない「リベラリズム」の概念…