哲学書簡 - lettres philosophiques sur les Anglais

英国在住の日本人の視点から英国人の考え方などについて徒然と書いていきます

哲学

形而上学的立場と政治イデオロギーの関係について

経験論(empiricism)とは、雑に言えば形而上学(知識論、epistemology)において真理根拠を経験に求める立場です。勿論、経験論の中にも色々と種類がありますが、大まかに言えば「理性主義(rationalism)」と言われる、理性による直観的認識(a priori int…

哲学は役に立たない?

「哲学は役に立たない」という議論(いや、議論でさえなく、たいていの場合はassertionですね)は日本では非常に頻繁に見かけます。 実は西欧(特にイギリス)でも哲学を勉強しているなんて言うと、「で、就職はどうするの?」と聞かれることは多いです。笑 …

スピノザ及びライプニッツの「充足理由律」について

日本ではスピノザってどう読まれているのかなと思って2chねるでスピノザに関するスレッドを見ていたら、スピノザと「充足理由律」の関係がどう捉えられているのかという質問を見つけ、答えようかと思いましたがスレッド自体が古いのでどうせならブログに書い…

「真の哲学」とは何か

日本では「真の〇〇」というフレーズは至る所でよく聞かれますが、哲学に関してもこれは同様です。「アカデミック哲学」あるいは『「哲学」学』などと揶揄される、大学における研究者の哲学研究に対置されるものとしての「真の哲学」あるいは「本物の哲学」…

スピノザと日本の関係(1)スピノザの形而上学

Pierre Bayle(1647-1706)という、スピノザと同時代を生きたフランスのとある哲学者は、スピノザの哲学を「日本人の哲学だ」と評し批判しました。この時代の「日本人の哲学」がどんなものだと思われていたのか非常に興味がありますが、一般に西欧の研究者の…

日本人知識人の責任 - 戦後リベラリズムが向き合わなかった問題 réflexions sur la question "non-japonaise"

「日本人」であることに伴う責任というのがあるとしたら、それはなんでしょうか。 よく言われるのは、以下の三つでしょう。 1. 旧植民地のアジア諸国に対して歴史的責任を負わねばならない 2. 戦勝国(特に米国)に対して彼らが日本に対してとった敗戦終盤に…

日本における「言論の自由」について - 啓蒙主義リベラリズムの立場からの「天皇制」擁護論

「ポピュリズム」の台頭ないし有権者の「右傾化」を受けて、ヨーロッパでも徐々に「言論の自由」への事実上の規制があまりに苛烈過ぎたのでは無いか、という声が「リベラル派」の内部にも生じてきているようです。私は体調不良で行けなかったのですが、先日…

そもそもリベラリズムとは何か

偖、では早速哲学の世界に入って行きましょう。と言っても、いきなり形而上学や言語哲学に入っていくのではなく、まずは一般的関心の強い政治哲学から入って行きたいと思います。本稿では、まず現代の政治思想を語る上で絶対に欠かせない「リベラリズム」の…